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HWスタートアップの見たCES②

CTO楢崎です。前回に続いて、CES体験記を上げたいと思います。 前回エントリーはこちら。

HWスタートアップの見たCES① - bonx tech blog

今回は現地で見た印象に残ったプロダクトやブースの紹介とかと、訪問して思ったことの雑感となります。

印象に残ったもの

OSSIC

今回のCESで一番の発見だと個人的に思っていますが、平たく言うと 「超すごいVRヘッドフォン」です。(語彙がやばい・・・)

詳細はプロダクト紹介ページを見て頂ければと思いますが、 装着した人に最適化された立体音響を動的に再生してくれるヘッドフォン ですね。サンディエゴのスタートアップがやっているみたいです。日本のメディアで取り上げられているのをまだほとんど見たことがないですが、個人的には間違いなくVR/ARブームの中で、HMDの次に来るジャンルじゃないかと思います。

そもそも人間の聴覚は、左右に2つの耳があることで「どちらの方向から聞こえてきた音かなのか?」を感覚的に理解できるようになっています。これは、同じ音源から聞こえてきた音波であっても左右の鼓膜に波動として伝わるまでに生まれる微妙な違いによるものです。単純な音量の差よりも位相差によって生じるものだと考えられています。

  • 音源との相対的な角度・位置によって、頭の幅分だけ行路差が生まれ位相がずれる
  • 鼓膜に到達するまでに、顔や耳介・耳の穴の中に何回も反射するため、そこでも位相がずれる

さらに、空間的な広がりも聴覚で感じることが出来ます。目をつぶっていても、今狭い空間にいるのか開けた大空間にいるのかはなんとなくわかりますよね?これは直接耳に届く音ではなく、部屋の中を何回も反射する中で生まれる 「残響成分」 によるものです。残響の強さは空間を構成する素材にも寄るため、例えば人間は経験的に「今は非常に狭いコンクリート空間にいる」みたいなことも聴覚情報から理解できるのです。

まあ細かいことはおいておくと、「聴覚はVRの没入感を高めるために超重要」ということです。(もっと興味ある方は 「頭部伝達関数 とか バイノーラル録音 とかの言葉でググったりするとより理解が深まるかと思います)

一方、非常に難しい問題として「個人ごとに最適化をするのが難しい」というのがあります。先ほど書いたとおり、左右の耳で聞く音にどんな差がでるかは「頭の大きさ」や「耳の形」なんかに左右されてしまうため、誰でも同じように立体音響を体験することが出来ないのです。(なお、HMDの場合、目と目の間隔はそこまで大きな個人差がないため、比較的簡単に視差による立体感を生み出すことが出来ます)

そんななか!このOSSICは「個人ごとの違いをキャリブレーションして最適な立体音響を動的に再生可能」という謳い文句でした。詳細は省きますが、頭の形とかを計測しておくことで、装着している人に最適な位相差を計算し、センサーをつかって装着している人の向きに合わせて動的に立体音響を出力してくれるみたいです。これが実現できているのであれば、非常に素晴らしいプロダクトだと思います。実際HMDをかぶってOSSICを付けてVR空間をウロウロするというデモも体験しましたが、非常に精度の高い立体音響が実現されていて高い没入感を感じることが出来ました。昨今VRゲームを筆頭にAR/VR業界も盛り上がってきていますが、映像だけではなく音についてもVR化が出来るようになるのではないでしょうか。

現在preorder中で、Unityで実装も可能みたいなので、VRゲーム業界の方なんかは是非注目して頂ければと思います。僕も買って色々勉強するつもりです。

SONY Xperia Projecter

大手メーカーさんの商品で今更紹介するのも恥ずかしい感がありますが、これはすごかったと思いました。詳細はこちらの記事 なんかと見て頂ければ。 テーブルの上に15cmくらいのプロジェクターを置くだけで、そのテーブルが「タッチパネルスクリーン」に早変わりする!という商品です。コンセプト自体はよくあるかと思いますが、焦点距離の短さと画角」「台形補正の精度」「操作の応答性」 という3つのクオリティが非常に高く、さすがはSONYさんだなーと思わせるプロダクトでした。 f:id:bonx:20170203094348j:plain

実際にはもちろんタッチセンサーではなく、ジェスチャーセンサーと深度センサーを組み合わせて、プロジェクター手前の空間のどこに指先があるのかをトラッキングしているのかと思います。とにかく応答速度がはやく、技術に詳しくない人であれば普通にタッチセンサーを使ってるのでは?と間違えてしまうかも。

一方、プロジェクターが小さいので仕方ないのかもしれませんが、ある程度暗い空間でないとまだ使えないっぽかったです。もう少し出力が出るようになれば、部屋の中で普通に使えるくらいまで行くのではないでしょうか?普通に欲しいです(多分超高いんでしょうが・・・・)

Gibsonブース

大手メディアが報道しているのを見たことが無いですが、ギターメーカーのGibsonはCESで超デカイ単独パビリオンを出展しています(去年もあったし今年もありました)。なんと!出展してあるギター・ベース、全て時間無制限で試奏し放題。音楽好きにはたまらないブースとなっています。一応Gibsonブランドで出しているヘッドフォンなどの体験コーナーもあり家電製品の展示の体はとっていますが、、、

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ステージがついていてスタジオ・ミュージシャンが四六時中ライブしていたり、お金を払えばブースの中でお酒まで飲めたりと、かなり尖ったブースになっていて面白いです。ステージ脇で酒飲みながら普通に盛り上がっているおっちゃんとかもいて、お前らCESに何しに来た感が満載。時間さえあればずっとここでまったりしてるんですが、会場が広すぎてあんまり長居できないんですよね。。。

余談ですが、同様に単独で非常にデカイブースを出しているのがBMWです。なんと新車の試乗会をCES期間中にやっていて、予約すればi7を運転してラスベガスを流すことも出来ます。そういう楽しみ方もあるのかもしれません。

超薄型テレビ

ここまで来るともはや板だよね(雑) f:id:bonx:20170204113838j:plain

雑感

プロダクトの栄枯盛衰

去年のCESは絶世のドローンブームで、中国メーカー中心に非常に多数のドローン企業が出展していました。DJIも非常にでかいブースを出していて、50台くらいのドローンを制御しながら飛ばすショーみたいなデモもやっていたのを覚えています。ところが、今年はどこ歩いてもドローンの展示を見ませんでした(会場全体あわせても4-5社みたか見てないか・・・)。ドローンを作ってた企業たちは今何を作っているんでしょうか・・・

また、同様に全然見なくなったのが曲面ディスプレイ。先ほど超薄型の話を出しましたが、そういえば去年は猫も杓子もちょっと曲がったTVを出していたように思います。

かたや車メーカーの展示を思い出すと、昨年は「自動運転」フォーカスだったのに対し、今年は「AI」フォーカスだったように感じました。例えば昨年のトヨタブースは、ミニチュアサイズの交差点をミニチュアの車5-6台がぶつからないように自動運転している、みたいな自動運転デモがメインだったのを覚えていますが、今年は コンセプト愛i ですからね。

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IT技術を中心に技術進化が進む中で、商品のライフサイクルもどんどん短くなっているんでしょうね。同時に、うっかりトレンドを見逃す・読み違えてしまうと、次の年には一気に置いてきぼりになってしまうのかと思います。開発側の人間として、この辺の危機意識をしっかり保つ必要があるなー、と強く感じました。

とはいえ、ここまで一気にAlexaがくると誰が思ってたでしょうか・・・。いやーすごい。

f:id:bonx:20170204131407j:plain (わかりにくいですが、VWブースの中にあったAlexa体験コーナーです)

AirBNBUber と Googlemap と。

本当に便利すぎます。今回CES期間もその後のLA出張も含めて、宿は全てAirBNBで予約したんですが、AirBNBアプリから「宿まで行く」を選び、google mapで道順が表示され、「Uberでここまで行く」を選んだら配車までやってくれるという便利さ。恥ずかしながらまともにUberを使ったのは今回の出張がはじめてだったんですが、本当にすごいですね。しかも、もはやインフラとして当たり前になっていて、CESの会場でも空港でもタクシー乗り場と別に「Ride Share乗り場」がちゃんと用意されていて、そこにさえ行けばいいという風になっています。

日本にいる限りにおいてUberの凄さをなかなか体験できなかったので、個人的には非常にいい体験でした。VIVAシェアリングエコノミー。

CES期間のホテル事情

ラスベガスの一番メインの通りは(確か)Stripと呼ばれる通り沿いで、この周辺にカジノ付きの高級ホテルが多数並んでいます。ただ高いし予約が全然取れない。Uberドライバーさんが言っていましたが、観光地のラスベガスであってもCES期間が一番混むのだとか。直前でホテル予約取ろうとすると、一泊3万とか5万とかザラに出てきて焦りました・・・。

なので、今回はラスベガスから車で25分くらい走った郊外の地域に小さな一軒家を借りて、3人でシェアしました。一泊一人あたり5,000円もしなかったかな?移動は全てUberUber Eatsも使えるので食事にも困りません。夜に中心部に出かけて、いわゆるラスベガス観光ができないのが唯一の難点ですが、時差ボケあるなかCES会場を一日中歩き回ってとにかく疲れるので、観光する体力的な余裕もなく特に問題ありませんでした笑

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とまった家の前でのプロダクトデザイナーM氏。

とにかくUberがどこでも拾いに来てくれるので、市街地から多少離れていても不便さは感じませんでした。安上がりに済ませようという方は、郊外の一軒家を探してみてもいいかも。割りとギリギリまでいろんな物件もあいてました。

お約束

CES探訪記を直接聞いてみたい方はぜひBONXオフィスに遊びに来てくださいねー!ビールがあなたをお待ちしています! いろんなポジションで人探しもしていますので、気になった方はぜひご連絡を!

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